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本:中野信子「空気を読む脳」

空気を読む脳 (講談社+α新書)

私が中野信子さんを知ったのは、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」からでした。
いつも不安な気持ちになる理由や、他人の行動が理解できない理由などを、脳科学の観点からわかりやすく解説する中野信子さんのお話は、大変興味深く、そこから、私は中野信子さんの色々な”脳”の本を読んでみました。
今回は「空気を読む脳」。
じつは、中野信子さんの本の中には、大きな字で、字数が少なく「中野信子さんにインタビューした物を編集者がまとめたのかしら?」と思ってしまう本も少なからずあります。
今回の講談社+α新書「空気を読む脳」は、ギッシリ中身がつまっており、読み応えがある本でした。

 

 

中野信子

1975年、東京生まれ
脳科学者、医学博士、認知科学者。
東京大学工学部応用科学科卒業。
同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。
フランス国立研究所ニューロスビン(高磁場MRI研究センター)に、人間社会に生じる事象を科学の視点をとおして明快に解説し、多くの支持を得ている。
現在、東日本国際大学教授。
著書に「サイコパス」(文春新書)
   「キレる!脳科学者から見たメカニズム」
   「対処法」
   「活用術」(小学館新書)
   「悪の脳科学」(集英社新書)ほか
テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。

 

 

はじめに

アメリカ人文化人類学者:ルース・ベネディクト著「菊と刀」から
~日本人は、「恩」や「義理」を大切にし、何かを受け取ったなら、相応の物を相手に返していこうとする~
この本の中身は「欧米が罪の文化」、「日本が恥の文化」という対立が説明されているそうです。
「恥を知る人間は、”恩”や”義理”を受けたことを生涯にわたって忘れず、どこかでそれに報いたいと行動するものである。だからこそ、”恩”や”義理”を受けたと感じた日本人は、なんとかしてそのお返しをしようと試しみるのだ。~
”恥知らず”と呼ばれることが、日本人にとって最大の屈辱であり恐怖だから~。
まとめると日本人は、同調圧力に従いやすく、不安が高く、社会的排除をおこしやすい性質だそうです。
そのことを、脳科学的に中野信子さんは著書「空気を読む脳」で、解説しています。

 

 

目次

第1章 犯人は脳の中にいる ~空気が人生に与える影響とは?

 カミカゼ遺伝子”は脳内に現代も息づいているか
 「協調性」は教育のたまものではない
 犯人をあぶりだす実験
 神経伝達物質セロトニンの影響力
 生存に有利な性格や個性とは?
 バッタの大群はセロトニンが原因

 日本人はなぜ「醜くても勝つ」より「美しく負ける」を好むのか
 サッカーで日本人が称えた負け方
 人気のある歴史上の人物の共通項
 善悪と美しさが脳で混同される
 人間を繁栄させた脳の快楽物質
 利他的な脳ほど不公正を憎む
 不倫バッシングはなぜやまない?

  ブランドを身に着けると、なぜ「人生で得をしがち」なのか
 独裁者ゲームにブランドが影響
 ブランド物が発するサインとは?
 脳も好みのブランドに惑わされる
 変化しやすい「美人」の基準
 若い人の自意識過剰は鋭敏な証拠

  日本人は富裕層になれても大富豪にはなれない?
 不確実性にわくわくする脳
 脳がギャンブルにハマる二大要因
 思春期に前頭葉が一気に成長する
 賭け事や恋愛に共通する快楽
 錯覚の仕掛けが胴元を太らせる

  不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られているのか
 「懲らしめなければ」という心理
 共同体を乱すフリーライダー
 集団の結束が優先の日本
 ダメな男がモテる理由
 人口の約50%が不倫遺伝子を持つ

 

第2章 容姿やペナルティ~呪いに縛られない生き方~

 女性の容姿への「残酷な心理実験」が映し出す現実社会
 外見で得していたのは男だった
 男は自分より高収入の女がNG
 ビキニとバスとに関する調査結果
 バストが大きいと「頭が悪そう」
 体育会系男子が高評価なわけ
 個人を「歯車扱い」する社会

  女という「呪われた」性で「婚活」に苦しむ日本人女性
 結婚できない=規格外の女
 「結婚したいがいい男がいない」
 脳科学で見た「いい男」の選び方
 自分にないものを求めるリスク
 脳の声が結婚生活を脅かす
 相手との豊かな関係とは

  レールを敷く親―子どもを蝕む「毒親」とは?
 女親のネガティブ感情
 タブーを破った「毒親」という表現

  同性愛の科学―”生産性”をめぐる議論
 同性愛は生得的か後天的か
 ダーウィンが戦犯のひとり
 子孫繁栄に寄与する同性愛遺伝子

 

 

第3章「褒める」は危険~日本人の才能を伸ばす方法とは?

 失敗を恐れる脳―日本人はなぜ「挑戦」しなくなったのか
 「褒めて育てる」は正しいのか?
 難しい課題を避ける褒められた子
 優秀な人による”捏造””改ざん“
 挑戦を厭わない心を育てるには?

  なぜ報酬がいいとやる気や創造力が減退してしまうのか
 素晴らしいごほうびのある実験
 ブラック企業の「やりがい搾取」
 脳から見たやる気にさせる言葉
 これから子ども世代に必要な能力
 異端な現代絵画が創造性を高める
 日本が13年連続イグノーベル賞

  「すぐに返信しない男」と「既読スルーを我慢できない女」
 女性脳は「不安になりやすい」
 なぜ彼の返信は遅いの?
 男性にとってキャバクラとは?
 ダメと思うだけで人はダメになる

  「超一流」が育ちにくい時代に才能を伸ばす脳の育て方とは?
 名優トム・ハンクスの経験を告白
 成功も実力も虚像と感じる苦悩
 褒める教育が失敗を隠す温床に
 「頭がいいね」の圧力
 才能を伸ばす名将の褒め方

  20代までも成長し続ける脳が味わう試練と、その助け方
 夏休みの終わりがなぜ危険か
 不安を増殖する子どもの脳
 若者の脳の完成度は80%
 「学習→即睡眠」の驚くべき効果
 始業を遅らせてみたら成績が向上

 

第4章「幸福度が低い」わけがある~脳の多様すぎる生存戦略

 日本人の脳をつくったのは、環境か遺伝子か?
 性格も遺伝で決まる?
 幸福度と遺伝の関係を双子で調査
 真面目さが日本人の長寿の秘密

  「弱み」は人間の生存戦略上なくてはならない
 「合理性を欠く」という性質
 「ひらめき」ではAIに勝てない
 囲碁で人間がAIに敗退する
 やらせを告白した心理学者
 日本人は「不安」を力に変える

 

 

女性と結婚

約20年前、結婚しない女性=結婚できない女性と思われ、30歳過ぎると、会社では肩身が狭くなっていました。
あの当時、セクハラ、パワハラなんて言葉もなく、上司は挨拶の様に「いい人いないの?」「紹介しようか?」なんて言うことも。
元法政大学教授 田島陽子さんが「女性の結婚=馬鹿馬鹿しい」と言っていたのも、「うるさいオバサンが吠えている」くらいにしか思っていなかったのですから。
現代は女性の活躍の場が広がり、優秀な方も増え、独身でも「結婚は?」「子供は?」「老後は寂しくなるよ?」なんて余計なアドバイスをする方は、あまりいなくなりました。
かえって、そんな古臭い事をいう方は「ただ活躍している女性を羨んでいるだけ」と、視野の狭さを世間に広めている感じがします。
この本「空気を読む脳」の中に、「女性の結婚」について、解説してあります。

ブスが美人に勝つ為には、美人より先に結婚する事

    ↓

学生カーストが下だった女性は、結婚でカーストロンダリングをする。
(自分より学歴、勤務先など良い男性を選ぶ)

    ↓

男性に負けじと仕事を頑張った女性、そろそろ結婚したいと考える。

    ↓

自分の年齢、収入、仕事に見合った男性は既婚者になっている。

    ↓

妊娠し、子どもの成長を考えると、男性も女性も若い人を選びたい。

    ↓

結婚相手を探すのが、難しい。

結婚し幸せと思いきや、脳が「良妻賢母」になるように命令をだすので、女性は苦しくなりそうです。
仕事と子育てをしながら、部屋は清掃が行き届き、夕飯は手作り、女性らしく化粧していると、疲弊してきます。
長く結婚生活を保つには「お互い期待しすぎず、圧力をかけない」ことが大事だそうです。
私にも2人の娘がいますが「結婚しないほうが良いのではないか」と思ってしまう時があります。
結婚までは楽しいが、妊娠し子供が生まれたら、大変でしたと言うか、大変な思い出しか残っていないのです。
楽しかった事を思い出せないのです。
現在も保育園入園は狭き門、受かっても保育園の送迎に、前後ろに大きな椅子をつけた猛スピードの自転車で、仕事へ行く時間のないママをよく見ます。
子どもの病欠で勤務先の同僚に迷惑をかけないようにハラハラし、学校に入学したら、成績やイジメを心配し、母親は成人するまで休まらないのです。
私の友人は、成人した娘が飲み歩き、終電で帰宅するので、心配で寝られず、喧嘩になるとぼやいていまいた。

 

 

毒親」について

親が自分と同じ苦労をしないように、子ども操縦し、思い通りにさせてしまう「毒親」について書いてありました。
脳内ホルモン オキシトシンが関与し、子供への愛情が深いほど、「毒親」化してしまうそうです。
親は「自分がした苦労や失敗を子供にはさせまい」とレール弾き、子供は自分の思い通りに決められないので反発。
何が正しいのかわかりませんが、以前読んだ中野信子さんの本に「子供に選択をさせる」大切さが書いてありました。
「失敗しても、子供に選択をさせる事が良い」と、親は失敗した子供をどうカバーできるかが大切らしいです。

 

 

 

「頭がいい」と褒めてはいけない

「頭がいい」と褒めると、失敗をおそれて「難しい問題」に挑戦しなくなるそうです。
子供に脳に「頭がいい」がインプットされ、「間違ったらいけない」と危険信号が働くそうです。
「頭がいい」と褒めるのではなく、努力段階を褒めると良いそうです。
しかし、学校では成績で評価され、努力段階は二の次です。
運動神経の鈍い子も良い子も、同じように努力しても、成績が良いのは運動神経の良い子です。
また、ある小学校教師は「頑張った順で成績表を配る」という事をし、ビリに成績表を受け取った親が怒り心頭、クラスから学校の問題に進展し、大事になった事がありました。
家庭で子供に寄り添い努力をたたえ、成績を伸ばすのが理想的かしら。
クイズ番組に出演する松丸亮吾さんのお母さんは、子供の勉強ノートは問題集を貼り付け手作りしていました。
子どもがテストで不正解だと、お母さんが謝り、不正解をまた勉強し直す方法を取っていたそうです。
不正解でも叱らず、満点を取る”達成感”を子供に与え続け、東大合格までつかみ取った事は、羨ましい限りです。

 

「ご褒美」と「達成感」について

「良い成績をとったらご褒美をあげる」と言うことは、良くないそうです。
脳が「ご褒美目当て」とインプットし、一生懸命努力せず、ある程度での頑張りで留めてしまうそうです。
「ご褒美」より、脳は「達成感」の快楽を求め、必死に努力するそうです。
「ご褒美」の方が楽、努力する方が大変ですね。

空気を読む脳 (講談社+α新書)

空気を読む脳 (講談社+α新書)